自然と寄り添う暮らし

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自然と寄り添う暮らし

あののぉ vol.44 2017 冬

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〔お宅紹介〕薪ストーブと自然素材に包まれた暮らし


田んぼにおむすび山。
讃岐の風景が広がる陽だまりの窓辺に
仲の良い兄妹と、その姿を見守るご夫婦。
薪ストーブの炎のように柔らかくあたたかい時間が流れる、自然素材の家を訪ねました。


家族のじかん

 友人宅を訪ねた際に、無垢の木の心地よさを感じたというご主人。我が家にも家族にもやさしい自然素材を選びました。土佐和紙の壁は光を柔らかく反射し、杉板の天井は美しい木目の陰影をみせてくれます。香川県産檜の無垢フローリングは飴色に変化し、日々暮らしに馴染んでいきます。お子さんたちがおもちゃを仲良くお片付けしている姿から、大好きなこの家を大切にしたいという思いが伝わります。
 リビングダイニングキッチンを中心としたシンプルな間取りは「家全体をひとつの空間に」という奥様の希望から。1階には寝室や水回りなど生活空間が集まり、2階には子供部屋がふたつ。吹き抜けに面した2階のホールには、お兄ちゃんが習うピアノが置いてあり、キッチンで食事の準備をしている奥様の耳にも届きます。呼びかけると、どこにいても返事があり、それぞれの部屋にいても、同じ空気の中で過ごしている事を感じられる、ほどよい距離感です。
 また、移ろう季節や流れる時間を映し出す窓は、家族団らんに色を添えます。家の中にいても鳥や虫の声を聴き、空模様や植物の動きに気付く。風景を暮らしの一部として取り込む窓辺では、家族があたたかな時間を過ごします。


 東西南北それぞれにある窓は風の通り道をつくり、夏の田んぼや木々の中を抜けたさわやかな風が、家中を駆け巡ります。エアコンを使うのは真夏の2,3週間のみだそうです。窓の外で稲刈りが始まると、そろそろ薪ストーブの出番。昼間の活躍はもちろん、夜は寝る前に数本の薪をくべておくと、朝もほんのりあたたかさが残ります。また、吹き抜けを上がったあたたかい空気を2階から取り込み、1階の床下へと送り循環させる仕組みで、効率よく家全体をあたためることができます。庭をみるとご主人のお父様が廃材で作った薪棚が並んでいます。薪割り場から薪棚、薪ストーブまでの動線を短くスムーズになるよう配置したのは、実際に薪ストーブのあるお宅訪問会で、住まい手さんからいただいたアドバイスを基にしました。ご主人が薪割をはじめると、息子さんがじっとその作業を見つめ、時折応援の言葉をかけます。薪割のお手伝いができるのももうすぐかもしれません。M邸では今年で3回目の冬を迎えます。炎のゆらめきに家族が集う様子が目に浮かぶようです。
 やさしい素材、やさしい時間。自然素材に包まれたM邸には、家族が寄り添い笑顔のたえない暮らしがありました。


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〔工事現場紹介〕新平井幼稚園(仮称)整備工事


 三木町にて、木造平屋建て幼稚園を建設しています。この建物は全体が弧を描いているため、木材の継手の形やジョイントのための部品は、カーブに合わせて角度のついたものを使います。また、コンクリートの土台に木造の基礎を固定する「アンカーボルト」の位置を決める際は、現場に基準の一点をつくり、そのポイントからの角度と距離によって正確な位置を出します。
 八角形の遊戯室は柱や梁などの構造材(木材)を現しにした、木の良さが分かる造りです。天井をみると、中心に向かって太い梁が8本伸びています。普通、梁は地面と水平に設けられますが、今回のように屋根の勾配に合わせて斜めに架けたものを「登り梁」といいます。30センチ×90センチにもなる太い集成材を使って大きな屋根を支え、柱の数を抑えた分、広々とした遊戯室が実現しました。
 木は建築材料になってからも、森の木々のように心地よい空間をつくってくれます。子供たちに笑顔で過ごしてもらえるよう、現場では細心の注意を払って作業を進めています。


現場名:新平井幼稚園(仮称)整備工事
場所:香川県木田郡三木町
構造:木造
設計・監理:(有)藤岡総合設計
施工:(株)菅組
現場監督:左から服部竜樹、白川正浩、藤澤魁

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〔森里海から No.44〕蔀帳造り


文・写真 菅 徹夫

仁尾町には、かつて「蔀帳(ぶちょう)造り」と呼ばれる作り方の民家が数多くあったそうです。「蔀帳造り」は、家の玄関横の二枚の板戸を上下に開閉するしくみで「みせ造り」とも呼ばれたようです。上部の蔀戸(しとみど)をうわみせ、下部はいわゆる「ばったり床几(しょうぎ)」で、折りたたむと壁に造り付けとなり、うわみせと共に雨戸の役目を果たします。下ろすと商品の陳列棚や腰掛けとしての役目を担うわけです。玄関脇にあるこの部屋は「みせのま」とか「表の間」と呼ばれ、商家(しょうか)では主にお店として使われていました。蔀帳造りのルーツは京都と言われ、室町時代以降に中四国、近畿一円に拡がったようです。仁尾町はかつて商家で栄えた町なので、この蔀帳造りが数多く軒を連ねていたようです。しかし、残念ながら現在では、まちなかに2~3軒が残るのみとなっています。
徳島県の海部(かいふ)地方、出羽島(てばじま)や海陽(かいよう)町鞆浦(ともうら)、由岐(ゆき)町(現美波(みなみ)町)にもこの蔀帳造りが残っていると聞き探索してきました。なんと、そこには予想以上に多くの蔀帳造りがかなり良い状態で残っていたのです。ミセとして現役で使われているものはないかも知れませんが、ばったり床几(したみせ)は縁台として地域コミュニティに貢献しているものが結構あるように見受けられました。また、このような共通するデザイン要素が連続して複数連なると、町並みとして一種の秩序のようなものが生まれます。歩行空間としての通りを活性化させる手法として、場合によってはとても有効な手段のように思えました。
かつて数多くの商家で栄えた仁尾町。「蔀帳造り」を復活させることで街の活気を取り戻すきっかけになるのではないかと思うのです。建築にはそんな「力」が確実に内在しています。それを引き出すのも私たち「建築をつくる者」の役割だと思うのです・・・。


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〔NIO SUNSET PEAK〕


海と空を愉しむ
絶景のキャンプサイト

 三豊市仁尾町に、瀬戸内海を一望する宿泊施設「仁尾サンセットピーク」がオープンしました。父母ヶ浜が眼下に広がるこの場所は、1年を通して夕日の見える丘です。父母ヶ浜は干潮時の白い砂と潮だまりがつくる曲線が美しい砂浜で、静かな水面は鏡のように夕日や青空を映します。
 施設ではドーム型テントや屋外五右衛門風呂、温水シャワーなどを利用できます。バーベキュー用グリルや食器類もご用意していますので、お好きな食材を持ち寄ってお気軽にキャンプをお楽しみください。


■施設案内
1日2組限定(1組 最大8名)
・Aサイト(上段)230㎡(70坪)
・Bサイト(下段)380㎡(115坪)

■料金
宿泊(1サイト/4名様まで)
平日/21,600円 土日祝/25,920円
*別途施設利用料あり
4名様以上の場合+1名様につき+2,160円
小学生以下 お1人様1,080円

■ご予約・お問い合わせ先
HP:http://www.kokiriko.jp/niosunsetpeak.html
Mail: niosunsetpeak@suga-ac.co.jp
TEL:0875-82-3837(古木里庫)
宿泊日の7日前までにご予約ください。

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〔information〕

第25回
100万人のキャンドルナイト 2017冬至in古木里庫

炎のゆらめきをみつめて
何もない時間を過ごす。
やさしい灯りのそばで
大切な人とのひととき。
2度とない瞬間を
写真にのこす。
古木里庫がお届けする
特別な夜を思い思いに
お過ごしください。
でんきを消して、
スローな夜を。


日時・・・・・2017年12月16日(土) 
       19時~21時( 開場:18時30分 )
場所・・・・・古木里庫(香川県三豊市仁尾町仁尾乙264 )
費用・・・・・無料 ※ワークショップ有料
問い合わせ・・TEL:0875-82-3837


【募集】
あなたのお庭をご紹介させてください

季節の移り変わりを教えてくれる植物たち。
手をかけ、育てる。
試行錯誤しながら成果に心を弾ませ、時には失敗に肩を落とす。そうしたプロセスが暮らしを豊かに育ててくれるのだと思います。
そこで皆様がどんな「お庭や畑」で暮らしを楽しまれているのかを教えてください。
そして、この冊子やネット等でご紹介させてください。皆様からのお便りお待ちしております。
※可能でしたら、実際にお伺いさせていただきき、お話や写真を撮影させていただきます。

◆必要事項をご記入の上、下記までお送りください。
必要事項・・・お名前、ご住所、連絡先、お庭や畑などの写真
送り先・・・・郵 送:769-1406香川県三豊市仁尾町仁尾辛15-1
       メール:ueno@suga-ac.co.jp(担当:植野) 



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